茨城県関連企業・団体新年展望
トップが語る
2020
JX金属㈱日立事業所
所長 中島 光一
技術による差別化に焦点
日立事業所の環境リサイクル部門は、昨年からスクラップ市況の回復によりリサイクル原料の集荷量が増加傾向にあり、高い操業率を維持しています。

スマートフォンなどに使用される電子材料の圧延銅箔に関しては、米中貿易摩擦の影響や、スマートフォンなど携帯電話の売れ行きが良くなかったことから、前年同期に比べると低調でした。

銅の製錬事業は、佐賀関製錬所で製造された銅の中間品を精製することによる製品化が役割ですので、安定的に操業しています。

今年は、米中貿易摩擦の影響が残ると思いますが、IoT、AI化といった情報化社会が進展していくのは間違いありません。今後5G(第五世代)の普及を起爆剤とした各種電子材料の需要回復が期待され、それについていけるよう生産を進めることが大事だと考えています。

当社は、昨年6月公表の長期ビジョンの中で、技術立脚型の企業に転身し、SDGsで目指す持続可能な社会の実現に貢献していくことを打ち出しました。また、資源や製錬などの「ベース事業」が一定の収益を維持し組織基盤を強固に保ちつつ、技術による差別化が可能な製品、事業を「フォーカス事業」と位置付けて成長戦略の核に据えて注力することと定めました。

この成長戦略の実現のため、技術の開発に一層力を入れ、高付加価値な製品を増やすよう努めています。当事業所には全社の技術開発センターがありますので、自社開発はもとより、ほかの企業や大学などとタイアップして、オープンイノベーション型の開発も進めていき、技術立脚型企業への転身を支えていきたいと思っています。
本店/東京都千代田区大手町 創業/明治38年12月

事業内容/非鉄金属の資源開発、製錬、電子材料の製造・販売、リサイクルおよび産業廃棄物処理