茨城県関連企業・団体新年展望

2020
医療法人博仁会志村大宮病院
理事長 鈴木 邦彦氏
地域包括ケア構築へ全力
昨年は5月にひたちなか市足崎にフロイデグループホームひたちなか、11月に水戸市堀町にフロイデ水戸メディカルプラザをオープンさせていただきました。とくにフロイデ水戸メディカルプラザは、医療・介護・リハビリ・予防・生活の地域共生多機能拠点として、元気な時から気軽に利用していただける「健院」を目指しています。
わが国の高齢者はまだ増加しますが、厳しい財政状況の下で、われわれの経営の原資となる診療報酬・介護報酬は、今後とも抑制基調が続くと考えられます。また、労働力人口が大幅に減少する中での介護人材不足や、医師の働き方改革の影響も深刻です。さらに、当グループの中心である志村大宮病院のある常陸大宮市は人口減少が著しく、2040年までに2015年と比べて3割以上も減少します。
その中で、当グループは超高齢社会を乗り切るための切り札である地域包括ケアシステムの構築に全力を尽くしています。地域包括ケアシステムは地域ケア(コミュニティケア)と統合ケアを合わせた普遍的な概念で、世界の高齢化最先進国であるわが国が、まずはそれを構築する責務があると考えています。昨年暮れに日本地域包括ケア学会が設立され、私は事務局長に就任させていただきました。
わが国の医療保険と介護保険は世界的に見てもよくできており、健康面での指標の多くは常に世界のトップクラスです。とくに医療保険の平等性は高く評価されています。わが国が世界に先駆けて地域包括ケアシステムを構築できれば、社会保障システムと医療機器、介護機器、医療品をセットで輸出できる新たな輸出産業にすることができるでしょう。
常陸大宮市上町313 ☎0295(53)1111
運営施設/緩和ケア「エーデルワイス病棟」、回復期リハビリ病棟「スイス館」、県指定認知症疾患医療センター
http://www.hakujinkai.com/