茨城県関連企業・団体新年展望

2020
㈱出羽屋
代表取締役社長 戸田 廣氏
帆引き網漁「復活」の夢
霞ケ浦の漁は豊漁が続いています。昨年、気候変動の影響を心配していましたが、幸いにしてワカサギは例年の約1・5倍の水揚げで、シラウオ、川エビも好調でした。
まさに「宝の湖」と言える存在なのです。この豊かな恵みの付加価値を上げて市場に売り込んでいくことが、私ども水産加工業者の最大のテーマとなっています。
昔は魚を獲れば、塩でボイルするか、しょう油と砂糖と水あめで佃煮にするだけでしたが、最近はワカサギのかりんとうなど若者向けの製品も開発され始めています。
当社では、霞ケ浦産の川エビを使って「えびせんべい」を作り始めました。これが若者に人気で、昨年、かすみがうら市の成人式で400個プレゼントさせていただきました。製品の評価は自分ではなく、お客さまが決める。この信念を貫き、地場産業の未来を追求してまいります。
昨年、イオン土浦店の当社のショップをリニューアルオープンいたしました。旗艦店に位置付けたかったからです。おかげさまで売上も10%ほど伸びました。つくば市学園の森に実験的に単独店を出店しておりましたが、3年目を迎え、結果が出始めました。こうした単独店出店を当社の戦略としていく考えです。
最後に、私の夢です。いま帆引き船は観光目的でのみ運行しています。これを、現実に帆引き網漁ができるようにして、獲れたてのワカサギ、シラウオをその場で加工し味わってもらう、という構想です。法令上の問題や操船者不足など実現へのハードルは高いですが、これ以上の「付加価値」はないでしょう。
高齢化と後継者問題に悩む霞ケ浦の漁業を再生する起爆剤になるかもしれません。
かすみがうら市加茂3385 ☎029(898)2111 創立/1930年 事業内容/霞ケ浦水産物・海産物・佃煮製造販売
https://dewaya.net/