茨城県関連企業・団体新年展望
トップが語る
2020
日本製鉄鹿島製鉄所
所長 佐藤 直樹
新たな挑戦の基盤支える
2019年を振り返ると、米中貿易摩擦の長期化による国際貿易の縮小や中国経済の減速などにより、世界経済の先行き不透明感が一層強まった一年でした。世界的に景気が停滞し、鋼材需要・価格ともに低迷が続く一方で、中国ではインフラ投資が加速し、粗鋼生産が記録的に増加しました。世界の粗鋼生産量の約半分を占める中国の増産により、鉄鉱石・石炭といった主原料価格が高騰し、世界中の鋼材価格が低迷する中で原料価格は高止まる「製品安の原料高」という新たな形の中国リスクが発現しました。

当社は、このような厳しい事業環境を踏まえ、さらなる競争力の強化を図る観点から、①組織一体化による業務運営の効率化②人員の採用・配置・育成面における人材基盤の強化③技術・技能・ノウハウ等の共有化による業務レベルの向上─を目的として、4月には製鉄所組織の統合・再編成が行われます。

鹿島製鉄所は、君津製鉄所、釜石製鉄所、直江津製造所とともに東日本製鉄所の一員となりますが、これにより一つの製鉄所では解決できなかったことが、解決できるチャンスが生まれると捉えています。まずは、安全、環境、防災、品質、コンプライアンス、生産といった製造基盤を盤石なものとし、所を支える基盤となる「人」の育成にもしっかりと取り組んでいきます。

真のグローバル企業を目指して新たな挑戦をすることになりますが、鹿島製鉄所がその基盤を支えられるよう、また社の旗艦となる製鉄所として存在感を発揮していきたいと思います。

鹿島製鉄所で働く全員が手を取り合い、地域の皆さまと共に歩んでいきたいと思います。
鹿嶋市光3
☎0299(84)2111
事業内容/製鉄、エンジニアリング、ケミカル・マテリアル、システムソリューションの各事業