茨城県関連企業・団体新年展望
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2020
横須賀満夫建築設計事務所
代表取締役所長 横須賀満夫
街と建築、一体的に設計
2019年、弊事務所は50周年を迎えました。長きにわたり数多くの建築を世に送り出せたことは、信頼を預けてくださった皆様からのお力添えによるものです。

建築はお客様の夢をかなえつつも、「暮らし」のための最も身近なインフラストラクチャーつくりをゆだねられています。個々の建築が集まることで「街」の広がりが生まれる。つまり建築は街づくりに力を及ぼすものなのです。

昨今、大型商業施設や総合病院が郊外へ移転することで中心市街地の人口が減少しています。行政主導のインフラ再整備により交通の効率化がなされ、街を歩くことが少なくなり、街はコミュニティとして機能する空間を徐々に失っているように感じます。また住居地域の規制を解除して景観を顧みない高層建築の進出も止まりません。

個々の建築は土地の環境を左右してしまいます。だからこそ建物、街区の単体と一般社会のコネクションを模索していくことは建築が街づくりに対して果たさねばならない使命です。経済効果とともに街並みというハーモニーを大切にすることが、良い街を存続させていきます。「10年先を見据え、街と建築を一体的に設計にしたい」という私たちの提案は、だいぶお客様に受け入れて頂けるようになっています。

私は喜寿を越えても身近な街にある歴史的建築や土木構造物をスケッチしています。建築であれ土木であれ、街にこういうものが華を添えているということを街の人々に知ってもらいたいのです。今世に送り出している建築作品においても、後になってから「これがここにあって良かったね」と言って頂けるような仕事を続けたいものです。
水戸市南町2-1-18アーキビル
行政庁舎や学校などの公共建築から商業施設、一般住宅まで、幅広い分野の建築設計を行う一級建築士事務所。