茨城県関連企業・団体新年展望
トップが語る
2022
JX金属日立事業所
所長 鈴木 義昭
創業地に先端素材新工場
 昨年は、社会のデジタル化が急速に進展し、先端素材・電子材料の需要が拡大しました。また、銅・貴金属価格が大きく上昇し、非鉄金属業界に追風が吹いた一年でした。
 今後もDXや脱炭素化の動きがさらに進展し、先端素材の需要は伸長が予想されます。ただ、資源価格を含め経済全体としては、予断を許さない状況が続くと考えます。
 その中でJX金属はESG(環境、社会、ガバナンス)の業界リーディングカンパニーを目指し、脱炭素社会の実現に向け、CO排出量を2030年度までに50%削減する中間目標を設定し、COフリー電力導入や効率化改善に取り組んでいます。
 また、循環型社会の構築に寄与するべく、銅製錬時の鉱石酸化反応熱を有効活用しエネルギー消費を極限まで抑え、リサイクル原料の処理量をアップするハイブリッド製錬を進めています。
 さらに、使用済みリチウムイオン電池(LiB)に含まれるレアメタルを再びLiB原料として回収するリサイクル技術確立のため、日立事業所内技術開発センターで研究開発を行うとともに、福井県に新会社を昨年設立し、実証試験の操業を進めています。
 今後、世界トップシェアを有する半導体用スパッタリングターゲットおよびスマホなどモバイル端末向けフレキシブルプリント基板用圧延銅箔を製造する二つの工場を日立市内に新設します。
 JX金属のCSR(企業の社会的責任)の原点である日立鉱山大煙突建設の精神を胸に、技術立脚型企業として強固なサプライチェーンを生かし、安全・安心・安定な操業を行い、現代社会に必要不可欠な非鉄金属・先端素材を供給してまいります。
日立市白銀町1-1-2 ☎0294(23)7130(日立事業所)
1905(明治38)年創業の世界有数の非鉄金属メーカー。銅、貴金属、レアメタルの資源開発・製錬から、電子材料製造、リサイクルまで幅広くグローバルに展開。