茨城県関連企業・団体新年展望

2022
社会福祉法人清常会
理事長 中村 きよ子氏
コロナ禍で新たな気付き
昨年も新型コロナウイルス対策に明け暮れ、私どものような高齢者施設にとっては前年に続き「忍耐の1年」となりました。納涼祭や地元の子どもたちとの交流、食事会など楽しいイベントは軒並み中止。ご家族の皆さんが入所者に会いに来られても面会はガラス越し。皆さん、いろいろな我慢を強いられました。ただ、そのかいあって、私どもの3施設ではいずれも、入所者、職員から一人の感染者も出さずに済みました。忍耐の1年は入所者やご家族、職員全ての方々に「感謝の1年」ともなりました。
コロナ禍の不自由な中、職員たちは入所者に少しでも喜んでもらおうと食事をデリバリーのお弁当に替えたり、外出の人数を少人数にしたりするなど代替の工夫をさまざま凝らしてくれました。ただ、入所者は戦争体験もあり、さすが人生の先達です。例えば、昨年11月19日の晩、夜空の部分月食を見上げ、口々に「こんな天体ショーに生きているうちに巡り会えて良かった」と言うんです。〈コロナの災厄に出くわしてしまった中でも月食に巡り合ったことの方に生きる幸せを見つけられる〉―。苦しい時こそ人生の先達には気付かされたり、教えられたりすることが多いものです。
今年はコロナ禍の長いトンネルをようやく抜け、この先に光明が見えてきそうです。まだまだ気は抜けませんが、私どもも入所者と地域の子どもたちとの触れ合いなどに少しずつ踏み出していきたいと考えています。コロナという未曽有の災厄も入所者、職員一丸となって乗り越えてきたんですから、今年はこれまでの願いがかなう年になると思います。〈明日への希望と勇気〉―。これも入所者の皆さんから教えていただきました。
本部/軽費老人ホーム ケアハウスアメニティ(石岡市東大橋2757 ☎0299(27)1233) 関連施設/特別養護老人ホーム けやき園、ゆりの里/子ども食堂 ファミーユ
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