茨城県関連企業・団体新年展望
トップが語る
2022
日本製鉄㈱東日本製鉄所
執行役員副所長(鹿島地区代表) 岸本 将
安定生産の実力向上図る
 昨年の鉄鋼業界は、自動車など製造業の回復や中国の減産による世界的な需給の引き締まりなどの影響で、原材料価格が高騰する中でも、収益を大きく回復できました。鹿島地区は、バンキング休止していた高炉の再稼働からフル生産へのシフトチェンジ、また中長期経営計画の発表もあり、変化の大きな年でした。
 当社を取り巻く環境は、コロナ禍の収束が見通せない中で中国の経済停滞リスクなどの不安要素、そして中長期的にはゼロカーボンスチールへの対応といった課題があり厳しい状況が続く見込みです。
 競争が激化する世界の鉄鋼業界で勝ち抜くためには、外部環境に依存しない安定した収益の確保が不可欠であり、そのためには安定生産が最も重要です。安定生産の実力を高めるために、基盤である安全・環境・防災・品質・コンプライアンスを盤石にし、それを支える人財の育成にもしっかりと取り組んでいきます。
 コロナ禍により、テレワークなどを導入した働き方も定着してきており、また、ダイバーシティ&インクルージョン施策として昨年12月には自社保育所を開園しました。多様な人財がより一層活躍できる職場環境の整備にも引き続き力を入れていきます。
 2050年の温暖化ガス排出量の実質ゼロ化に向けて、当社もゼロカーボンスチールへの取り組みを開始しています。この分野で世界をリードすることで、総合力世界ナンバーワンの鉄鋼メーカーを実現し、社会から信頼され頼りにされる真のグローバル企業として発展するスタートの年としたいと思います。東日本製鉄所鹿島地区もその基盤を支えられるよう、地域の皆さまのご理解・ご協力をいただきながら歩んでいきます。
鹿嶋市光3 ☎0299(84)2111 事業内容/製鉄、エンジニアリング、ケミカル・マテリアル、システムソリューションの各事業 http://www.nipponsteel.com