茨城県関連企業・団体新年展望
トップが語る
2021
茨城県社会保険労務士会
会長 磯 充
働き方改革へ業務見直す
 新型コロナウイルス感染症の影響により、社会全体、また、私たちが関わる労働関係の状況が大きく変わりました。私たち社会保険労務士(社労士)は、このような中で社会に貢献していくための工夫やアイデアを出しているかが問われています。今後の新しい社会に対応するための気づきや課題を踏まえ、新しい業務の在り方を確立していかなければならない、転機ともいえる一年でもありました。
 昨年4月から時間外労働の上限規制が中小企業でも適用され、6月からハラスメント防止法が施行されています。また、正規と非正規労働者との間の不合理な待遇差の禁止(同一労働同一賃金)など、多くの働き方改革関連法案がスタートしていますが、新型コロナ感染症により多くの企業が大打撃を受け企業閉鎖や、休業から失業者増という状況になりました。そのような中、多くの社労士が企業に対し社会貢献も含め、一人でも多くの労働者の雇用の安定を図り、失業者を無くすための雇用調整助成金活用の相談、手続きに取り組んできました。
 世の中が大きなピンチに陥り、多くの企業が働き方改革をはじめとした労働環境の改善や労務管理改革の重要性を感じ、労務管理を業としている専門家である社労士に知恵や知見を求めています。社労士は、従前の活動方法から新たな指導形態に変換しながら企業に寄り添って労働者の働く環境を改善していかなければならないと考えています。
 企業の働き方改革の相談に加わるためには、自分自身が働き方を改革する必要があります。アナログな業務形態からデジタル化、オンライン化への変革を見据え、スピード感を持ちつつ見直しを図っていきたいと思います。

茨城県社会保険労務士会では、会員約500人が労働・社会保険関係の円滑な運用に貢献し、企業の労務管理を含めた働き方改革に対応するための相談などに応じています。