医療界も含め、地球規模で新型コロナの激震が走りました。当院もマスク等が不足し困っていた時、患者さまが手作りマスクを無料で何枚も作ってくれました。ありがたさが身に染みました。現在は治療方法など経験から学ぶことができてきましたが、いつ医療崩壊が起こっても、いつ明日はわが身になるのか分からない状況で一年が時間の感覚がない間に過ぎました。
　当院ではうつ病の患者さまが増え、また家族の仕事がなくなり入院代が支払えない患者さまが多くなりました。社会の変化は確実に弱者に降りかかること、仕事があり今日の食事があることの幸せを実感した一年でした。
　今年、ワクチンが開発されコロナを封じ込めた感が出てきますが、コロナ後遺症はさまざまな形で社会に出現するでしょう。現に医療崩壊は各地で起こり、厳しい現実の不安から精神疾患が増えるのではないかと心配しています。社会環境の変化は人間の心を揺さぶります。こういう時こそコロナ後の繁栄のために仕事も自分も見直す良い機会にしなければと考えます。何事も初めがあれば終わりがあります。地球丸に乗船している私たちが精神的に成長する一年でありたいと思います。
　わが法人は常に地域で暮らす住民により良い医療介護の環境を提供したいと願っています。それはコロナ禍でも変わりませんが、人手不足が大きな問題になってきています。昨年は海外からの実習生を受け入れました。今年は更に外国からの実習生を増やし良い形で貢献できる病院、施設をつくっていかねばならないと考えています。今まで積み重ねた経験を患者さまや地域の役立つような形にして前に進んでいく年にします。