茨城県関連企業・団体新年展望
トップが語る
2021
日本製鉄㈱東日本製鉄所
執行役員副所長(鹿島地区代表) 岸本 将
安定生産による業績回復
 昨年は新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、東京オリンピックなど各種イベントの中止や社会活動が停滞するなど、100年に1度ともいわれる未曾有の事態に見舞われました。コロナ禍の前でさえ激動の時代といわれていましたが、さらに変化が加速したまさに超激動の一年でした。鉄鋼業界においても大幅な減産を余儀なくされ、当社東日本製鉄所鹿島地区にある高炉2基のうち1基をバンキング休止するにいたりました。また、ソーシャルディスタンスの確保やテレワーク・リモート会議の本格的な導入など、社会生活・働き方も大きな変化がありました。
 今年はコロナ禍の終息が見通せない中、昨年上期を底に鉄鋼需要は回復傾向にあり、当社の生産活動も自動車向けを中心に活性化するなど、明るい兆しも見えてきました。こうした状況を受けて、バンキングしている高炉を1月下旬に再稼働させるべく、現在鋭意準備を進めているところです。まずは製鉄所運営の基盤である、安全・環境・防災・コンプライアンス、そして安定生産を念頭におき、市況の好転を捉えて業績の回復を図っていきたいと思います。また、それを支える「人財」の育成にもしっかりと取り組んでいきます。
 一方で温暖化ガスの削減という地球規模でのニーズを背景に、2050年の温暖化ガス排出量の実質ゼロ化という政府目標が発表されました。当社も、「ゼロカーボンスチール」への取り組みを本格化させ、真のグローバル企業を目指して新たな挑戦を続けていきます。東日本製鉄所鹿島地区もその基盤を支えられるよう、地域の皆さまのご理解・ご協力をいただきながら、共に歩んでいく所存です。
鹿嶋市光3
 ☎0299(84)2111
事業内容/製鉄、エンジニアリング、ケミカル・マテリアル、システムソリューションの各事業