茨城県関連企業・団体新年展望
トップが語る
2021
医療法人社団桜水会
理事長 桜井 一男
危機で見直される日本流
 私どもは医療や福祉・介護を通して、患者・入所者さまの命と暮らしをお預かりしています。昨年のコロナ禍では施設内の感染阻止へハード、ソフト両面でいち早く可能な限りの手立てを講じました。感染経路など当初さまざまな情報が交錯しましたが、グループ職員が一丸となって対応した結果、ウイルスの侵入を阻止。未知の危機に対処するには職員スタッフの日頃の連帯感や共助の精神が何よりモノを言うと感じました。
 また、私どもの病院・施設では大震災の教訓を踏まえ、医薬品等とともに冷凍食品や乾燥野菜などの食糧を患者・入所者、職員スタッフやその家族分も含め約1カ月分備蓄しています。不安な事態にこそ普段と変わらぬ安心を提供できるよう努めています。
 わが国の企業経営はバブル後、リストラやコスト削減で短期的な利益を上げる欧米流の成果主義に走りました。その結果が平成の「失われた20年」です。しかし、わが国の企業風土はもともと農耕型。丹念に土を耕し畑の手入れを惜しまない経営は一見非効率に見えますが、長期的には利益が最大化される合理性と強みがあります。何よりお客さま、従業員、地域全体を幸せにします。コロナ禍のような事態は今後も必ず起こります。そうした危機を乗り越えていくためにも今後はわが国本来の家族主義や助け合いの「農耕型経営」が見直されていくことになると思います。
 ただ、農耕型経営を支えるのは人。私どもは今春、新たに高齢者向けケア付き住宅を取手市にオープンする予定です。この安心の住まいを支えるのも職員です。有能で豊かな心を持った人財スタッフを集め、育成していくのが経営の最大の使命だと思います。
つくば市大角豆1761
 ☎029(855)0777
事業内容/筑波病院、診療所、特別養護老人ホーム、介護
老人保健施設、土浦看護専門学校などの運営