茨城県関連企業・団体新年展望

2021
JX金属㈱日立事業所
所長 宮林 良次氏
技術立脚型企業へ芽吹く
昨年を振り返りますと、安倍総理の長期政権が終了し、新たに菅総理が誕生したこと、アメリカ大統領選挙でバイデン氏が勝利したことも大きな出来事でしたが、新型コロナウイルスが世界的に流行し、それに対する感染防止対策の実行に追われる一年でした。当事業所も独自の感染防止策をつくり、従業員ならびに家族の健康維持に努め、日立事業所は円滑な運営ができました。引き続き、感染防止に努めてまいります。
次に事業活動についてお話します。新型コロナウイルス感染防止に起因するテレワークや巣ごもり需要を背景としたスマートフォン、サーバー、通信インフラ等、高機能IT分野での需要が拡大しました。2020年度上期について、当社グループにおいては、これらに用いる非鉄金属素材の販売量は前年度同期を上回りました。下期も上期同様、これらの主力製品の堅調な販売が見込まれています。
資源事業では、新型コロナウイルス感染対策に伴う海外銅鉱山での減産影響を、銅価の上昇によるプラスの影響が上回る見込みです。製錬・リサイクル事業についても、貴金属価格の上昇による上振れにより、20年度通期では前年度に対し増益となる見通しです。
当社は「2040年長期ビジョン」として、〝装置産業型企業から技術立脚型企業へ転身し、激化する国際競争の中にあっても高収益体制を実現するとともに、SDGsで目指す持続可能な社会の実現に貢献する〟を掲げました。2020~22年中期経営計画では、将来への種まきの期間と位置付けました。今年はいくつかの種から芽を出させ、成長させていきたいと考えています。
日立事業所/日立市白銀町1-1-2
☎0294(23)7130
1905年に創業した非鉄金属の総合メーカー。資源・製錬から電子材料の製造・販売、そして使用済み機器からのリサイクルまで幅広い事業を展開。
https://www.nmm.jx-group.co.jp/