昨年は、首都圏を中心とした県外の工事が全体の70％を占めました。また長期の大型工事も多いことから、小さな改善でも利益の積み上げに繋がる意識を持たせるとともに、遠隔地の社員のバックアップ体制の強化にこだわってきました。特にリニア新幹線工事では、弊社の特許商品である自在円形型枠と大型トラスを組み合わせた工法により高い評価を頂いています。
　新型コロナウイルスへの対応については、弊社からクラスターを出さないために、現場担当者が本社内に入室しなくても書類のやりとりが出来るよう工夫し、更に社員には業務外においても藤井建設の看板を背負っているという自覚を促して、感染拡大防止には細心の注意を払いました。
　一般的に建設業界の景気は２年遅れと言われますが、現実は２年を待たずに、昨年の後半から単価縮減の要請が強くなってきており、現在の社会情勢からみて、今年の受注環境は厳しくなると思っています。そのような予測から、昨年より「技術企画部」を立ち上げ、全ての事柄をゼロベースで再考し、技術の考案やＩＴ化に取り組んでおります。また原価管理システムを再構築して生産性向上を図る一方で、働き方改革にも対応して参りました。その結果、時間外労働の削減や有給休暇の取得しやすい環境が整備されてきましたが、目指す経営は、与えられた環境で「生き残る会社」ではなく、自らが変化し「勝ち残る会社」とすることです。
　これからの時代は、一人一人が創意工夫して知恵を出し、業務改善に向き合う姿勢が大切だと思います。今年も、建設業界の一員として国を守る気概を持ち、国土強靭化や防災、減災の一翼を担って参ります。